多自由度コロキウム

第1回(8/8)

ローレンツ対称性がない場合の南部・ゴールドストーンモード

8/8(水) 15時00分〜 (2時間程度を予定)

「系の連続的対称性が自発的に破れると、ギャップレスな励起モードが現れ る」という南部・ゴールドストーンの定理は1960年代に構築されて以来物理学 の基礎をなしてきた。素粒子物理学で通常仮定される「ローレンツ対称性」が ある場合には、南部・ゴールドストーンモードの数や分散関係といった性質は詳 細に理解されいた。 しかし、「自発的対称性の破れ」という現象自体はローレ ンツ対称性がない場合にも非常に普遍的に現れる。例えば結晶や磁石、超流動 はその例であり、これら の物質中に見られる南部・ゴールドストーン粒子は低 温での物性を大きく左右す る。その例として、「結晶の比熱は低温でT^3に 比 例する」というデバイのT^3則 も南部・ゴールドストーン粒子すなわちフォノン に着目することにより説明される。 このような多くの具体例・応用例にもかか わらず、ローレンツ対称性がない場合 の南部・ゴールドストーン粒子の数や分 散関係を統一的に説明する理論は今まで 構築されていなかった。今回我々は有 効ラグランジャンの方法を用いてこれに成 功したので、「自発的対称性の破 れ」「南部・ゴールドストーンモード」といった基礎的な部分も含め概説したい。

参考文献:

H. Watanabe, H. Murayama, Unified Description of Nambu-Goldstone Bosons without Lorentz Invariance, Phys. Rev. Lett. 108, 251602 (2012). http://jp.arxiv.org/abs/1203.0609

American Physical Society の exceptional research に選ばれました: http://physics.aps.org/synopsis-for/10.1103/PhysRevLett.108.251602


 

名古屋大学 情報科学研究科 複雑系科学専攻 多自由度システム情報論講座