『〈現在〉という謎』をめぐる議論

『一物理学者が観た哲学』 2019年11月6日公開 PDFファイル 全110ページ
(書籍『〈現在〉という謎―時間の空間化批判』への補足ノート 増補版)

 2016年12月に立正大学で行われたシンポジウム講演(ポスター私のプレゼン)や、その他の講演にもとづいて、『〈現在〉という謎:時間の空間化批判』と題する書籍を分担執筆し、勁草書房から出版していただきました(本の案内はじめにとあとがき)。
 書籍『〈現在〉という謎』は物理学者たちと哲学者たちの紙上討論という形で編まれています。本は無事完成したのですが、哲学者の皆さんに十分に伝えられなかったことと、哲学者の皆さんの見解を理解しきれなかったことを、私は抱えました。そこで、本には書き切れなかったことを、場外編として書き、発表しようと考えました。
 そうして書いたのが、この補足ノートです。当初公開していたノートよりも大幅に増補いたしました。私としては誠心誠意を尽くして書いたつもりですが、内容は明らかに「哲学批判・哲学者批判」です。私は的外れなことを述べているかもしれませんし、何よりも言葉が強すぎたと反省しています。これを読むことにより、人によっては不愉快に感じる可能性があることは、私も重々承知しており、その点についてはお詫びしたいと存じます。
 それでも、哲学者の皆さんに、あるいは、科学者の皆さんに、あるいは、学生の皆さんに、あるいは、市民の皆さんに、読んでいただければ、それぞれにお考えを揺さぶる部分があると思います。
 おそらく一度読むと、人によっては頭に血が上る思いをされるだろうと想像します。それでも急いで読み飛ばさずに、また、自分の関心の集中している箇所だけを読んで急いで反論しようとしないで、できれば日を改めて、落ち着いて読み返していただくことをお願いします。

キーワード:谷村、時間論、補足、現在という謎、形而上学、谷村ノート

関連する記事(科学と哲学の、私の捉え方がうかがえる文章として):
谷村省吾『量子論と代数―思考と表現の進化論』PDFファイル
アブストラクトへのリンク:
名古屋大学リポジトリ『一物理学者が観た哲学』
名古屋大学リポジトリ『量子論と代数―思考と表現の進化論』

(追記)私のノートは、さまざまな方に読んでいただき、いつしか『谷村ノート』と呼ばれるようになり、ツイッター・ブログ・メルマガなどネット上で論議を引き起こしたようです。それらの論すべてを網羅することはできませんし、私がいちいちコメントするのも適切ではないように思われます。代表的な反応として、『〈現在〉という謎』の執筆編集者である森田邦久氏自身による応答文書と、私とも森田氏とも親しい関係にある伊勢田哲治氏による感想文をリンクしておきます。
森田邦久氏による『谷村ノートへのリプライ』
伊勢田哲治氏による感想文:『〈現在〉という謎』の感想


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Last update: May 6, 2020